変えられるもの
私には、悩んだとき、困ったときに取り出して見るカードがあります。そこには、「変えられないもの」と「変えられるもの」についてコンパクトに書かれています。
「変えられないもの」:他人、感情・生理反応、過去
「変えられるもの」:自分、思考・行動、未来
「あの時、こうしておけばよかった。失敗したなぁ。・・・」などと振り返ってみても「過去」は変えられません。反省しているふりをしているだけでは、何の解決にもなっていないことはままあります。また、「あの人は何で私のことを理解してくれないんだ。どうして正しいことを言っているのに、言った通りにやってくれないんだ。」などと嘆いてみたところで、「他人」は変えられません。怒ったり、悲しんだり、嬉しくなったりする「感情」や、トイレに行きたくなったり、お腹が減って何か食べたくなったりする「生理反応」も、これまた変えられません。
私を含め、結構この「変えられないもの」に引きずられて思い悩んでいる人は多いと思います。そういうときには、「頭の中で今あれこれ考えているものは、変えられるもの?変えられないもの?」と自問自答してみましょう。そして、意識を「変えられるもの」に集中していきましょう。すると不思議なもので、「変えられないもの」までも変えることができるかもしれません。他人は変えられなくても、自分が変われば、また自分の考え方や行動を変えれば、相手は変わっていくものです。例えば、「あいつは私に挨拶もしない嫌な奴だなぁ。」という感情は変えられません。でも相手のほうが悪いと思う考え方を変え、自分のほうから大きな声で挨拶をしてみるというふうに行動を変えてみると、これまで変えられなかった自分の感情を変えられると思います。もしかするとそれによって相手も変わるかもしれません。
「変えられないもの」に思い悩み、そして振り回されている自分を、一歩下がったところから見つめ、今「変えられるもの」にとにかく意識を集中させましょう。そして自分の考え方や行動を変えていけば、きっと未来を変えていくための一歩を踏み出すことができるはずです。