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HⅡAロケット

まず初めに、ブログの表紙の写真は三菱重工のホームページから切り抜いたものです。https://spectra.mhi.com/jp/the-h2a-rocket-20-years-after-its-first-launch-part1 

昨日(10月26日)、種子島宇宙センターからHⅡAロケット44号機が打ち上げられ、成功しました。これで43機/44機の成功であり、さすが日本の主力ロケットです。今回の打ち上げで、「下町ロケット」帝国重工の財前部長を思い出したのは、私だけではないはず。ところでこのロケットには、日本版GPS衛星「みちびき」(初号機の後継機)が搭載されており、センチメートルレベルの高精度な測位を実現するようです。これにより、自動車の自動運転や無人トラクターによる耕作も可能になります。(下の写真は、三菱重工のYouTube映像より)

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実は、HⅡAロケットよりもイプシロンロケット5号機の打ち上げに期待していました。会社からでも見えるのではないかと。10月1日にレーダー不具合で打ち上げ延期、続く10月8日は気象条件不良でまたも打ち上げが延期されてしまい残念なうえ、未だ次の打ち上げ日程は未定です。10月1日に延期の原因となった可搬型ドップラーレーダーを再点検したところ、GPS受信アンテナのケーブルを時刻装置に接続するコネクタ部分が緩んでいたようです。この装置は、打ち上げ初期段階にロケットが正常なルートを飛行しているかどうかを把握するための飛行管制システムです。またこの装置はイプシロン1号機の時(2013年)に運用を開始したデンマーク製で、全長6m程度のトレーラーになっており、自動車でけん引するタイプです。この重要な装置を種子島宇宙センターと内之浦宇宙空間観測所で共有していて、船に乗せて移動させています。イプシロンの2度目の打ち上げ延期後は、HⅡA打ち上げのために種子島に移され、今回見事にその役割を果たしました。あとはいつ内之浦に戻ってくるかによって、イプシロンの再打ち上げの日程が決まるのでしょう。それにしてもロケット打ち上げといった精密で科学の粋を集めた高額なプロジェクトでも、それぞれにドップラーレーダーを設置することができないとは、技術立国を標榜する日本としては少しお粗末なように感じます。ここんとこ、10月31日の衆議院議員総選挙の政権放送を聞くとはなしに耳にしていますが、日本の科学予算に言及している政党はないように思えます。票が集まらないのかな?! とにかく、イプシロンの再打ち上げに期待です。

イプシロンとHⅡAとの違いを図解した古い記事をみつけましたので、載せておきます。(JIJI.COM 2018年1月18日掲載) 大きさ以外に、ロケットの燃料が違います。HⅡAは、液体燃料型で液体酸素と液体水素を別々のタンクに貯蔵しておいて、混ぜて燃焼させ強い推進力を得ます。ただ、内部構造が複雑なうえに燃料を入れっぱなしにできません。一方イプシロンは、個体燃料型で内部構造が簡単なうえ燃料を入れっぱなしにでき、小型化しやすく安価で使い勝手がよくなります。

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