桜島
鹿児島と言えば、みなさんまずは「桜島」を思い浮かべると思います。先日、初めて桜島観光に行ってきました。以前、静岡に住んでいたことがあります。毎日見る富士山はとてもきれいなのですが、行ってみるとただの岩とガレ場しかありませんでした。そのため、桜島も富士山も遠くから眺めるもの、という印象をもっていました。遠くから眺める桜島は実に豪胆です。まさに西郷さんというイメージです。みなさんがイメージしている桜島を見るのにベストな場所は、鹿児島県庁展望ロビー(18階、約93m)です。静かな北岳と今も噴煙を上げている南岳がはっきりと錦江湾の向こう側に見えます。観光名所の仙厳園からもきれい見えます。私が一番好きなのは、鴨池・垂水フェリーに乗って見る桜島です。鹿児島市側の鴨池では台形に見える桜島が、フェリーの航行とともにその形を変え、対岸の垂水では円錐形に見えます。この桜島の見え方の変化が楽しいのです。フェリーで食べるおうどんもおいしいですし。
さて初めての桜島観光、志布志からGoogle Mapに従って行って、ひどい目にあいました。山のなかのくねくねした狭い道を走る羽目に。良い子のみなさんは、国道220号線で行くようにしましょう。走行距離・走行時間が短くても、Google Mapに騙されてはダメですよ。
まずは、有村溶岩展望所。1Kmほどの溶岩遊歩道があります。ここから南岳に向かって面白い風景が広がっていますよ。手前のほうは大正溶岩(1914年)で松が大きくなりつつあり、その先の昭和溶岩(1946年)はまだまだ植物がまばら、そして奥の古い溶岩にはしっかりと木が茂っています。つまり植生を見れば、どの年代の溶岩かが分かるわけです。それにしても溶岩の上で根を張って大きくなっていく植物って、凄いですね。 次に桜島ビジターセンターで桜島の歴史を習ったうえで、桜島溶岩なぎさ公園の足湯でまったり。桜島を眺めたり、錦江湾を行き交う船をぼーっと見たりして、まったりとした気分になれます。 その後は、すぐ近くの赤水展望広場へ。ここには、2004年8月に行われた長渕剛のオールナイトコンサートに集った約7万5千人の情熱のシンボルとして、桜島溶岩で作成された記念モニュメント「叫びの肖像」があります(他には何もない)。 ここを見て終わったあとは、湯之平展望所へ。ここは北岳の4合目に位置し、一般人が立ち入れる最高地点。結構迫力があります。 鹿児島には屋根付きのお墓が多いのだけど、この展望台への登り口にも立派な屋根付きの墓地があります。火山灰を避ける効果もあるけど、きっと先祖を敬う気持ちから作っているんだろうな(合掌)。 最後に訪れたのは、黒神埋没鳥居。桜島が大隅半島とつながった大正3年(1914年)の大爆発の際、火山灰や軽石で高さ3mの鳥居が埋まったもの。私は鳥居(私の名前も鳥居ですが、、、)よりも、その隣のアコウの老木に興味を持ちました。別名「締め殺し木」と言われており、別の木の上に残された鳥のフンに混じった種子から、地上に向かって気根を伸ばしていきます。大正の大爆発のなかを生き残り、しっかりとした気根を張り巡らしたその姿は、神々しくもあります。
行ってみたら分かった桜島のいいところ。今度は、誰かをアテンドして訪問したいと思います。